FC2ブログ

Joy Luck Club

日記帖・雑記帖・ぼやきノート・備忘録・・・




映画鑑賞レポート ② 「家(うち)へ帰ろう」 :: 2019/04/19(Fri)

4月11日(木) @フォーラム那須塩原
「家(うち)へ帰ろう」


2019april_16.jpg
娘たちがアブラハムを老人施設に入れて家を売るというので撮影した最後の家族写真。


2019april_20.jpg

随分な頑固爺だ、ブルスティン・アブラハムは。最後までそう思って観ていた。苦渋に満ちた理不尽な体験をさせられた少年のその後の人生を思えば、年月を重ねながら頑固爺になっていくのもやむを得ないことを理解しつつ、観終わっても頑固爺の影だけが残る。だから余計に、彼に関わった女性たちが素敵な存在として印象付けられた。

第二次世界大戦中にポーランドでナチスの迫害を受けたユダヤ人のアブラハムは、亡命先のアルゼンチンで仕立て屋として暮らした。88歳の彼を施設に入れようとする娘たちに内緒で故郷のポーランドに向かう。目的は自分を助けてくれた幼馴染に自分が仕立てた最後の服を届けること。

アブラハムは、ブエノスアイレスからスペインのマドリッドへ飛んだ。そこからポーランドまでは鉄道を乗り継いで向かうつもりでいたが、ポーランドに行くにはどうしてもドイツで乗り換える必要がある事を知る。ナチスドイツにひどい目に遭わされた俺がドイツに足を踏み入れることなどできる訳がないだろう、と云う気持ちでいっぱいのアブラハムは、絶対にドイツを通りたくないからドイツ以外の国を通る列車のチケットに換えてくれとパリ駅の案内所でねばった。それは無理だと拒否されても頑固に言い張る。



隣でやり取りを見ていたイングリッドというドイツ人の文化人類学者が仲立ちしたが、頑固爺のアブラハムは意地を張り続け、イングリッドは勝手にすればいいわと立ち去ってしまった。散々ねばったがどうしようもないことを悟って渋々乗ったドイツ行きの列車でイングリッドと再会。ドイツ語、フランス語以外にイディッシュ語(ユダヤ語)を話すことができると知ったアブラハムは、彼女の優しさに気を許して自分の身の上を語る。ベルリンで乗り換えのためにホームに降りなければならない。ドイツの地なぞ踏んでなるものかと云う風に、スーツケースの中身を引っ張り出して列車からホームのベンチまで敷きその上を歩くという徹底ぶりだ。呆れながらイングリッドも手伝う。
2019april_21.jpg


さて、イングリッドと別れてベルリンからポーランドのワルシャワまでアブラハムは一人だ。ドイツ人乗客に囲まれ居心地が悪い。ドイツ人を避けるように列車内を歩き回る。精神が不安定になり、隣の車両に移った時、ナチスの兵士たちが女を膝に抱き酒盛りをしている幻想を見た。70年前、自分がナチスドイツの兵士たちから受けた虐待やホロコーストのことが頭の中をぐるぐる回り失神してしまう。

目が覚めたのはワルシャワの病院の一室。ゴーシャという看護師は優しくアブラハムに接し、彼のワルシャワ訪問の目的を知って放っておけなくなり、退院後、アブラハムが乗る車椅子を押して彼の育った町へ連れて行く。70年も経ってしまったのだからもう居ないかも知れない、会えないかも知れない・・・。親友が窓の外にいるアブラハムに気が付き、ドアを開けて出て来た。二人は言葉もなく抱き合い、ゆっくり部屋の中へ入って行き、映画は終わる。




icon九条守れ

さいたま市の女性の句。
教育委員会は公民館報への掲載を拒否しています。


その他にも「9条」取り扱い拒否が様々な形で広がっています。

「九条俳句」市民応援団ができました。




70年間暮らしたブエノスアイレスの家を娘たちが売って、アブラハムを老人施設に入れるという前日、娘家族や孫たちが集まり家族の記念写真を撮る。アブラハムの一番のお気に入りの孫がいない。彼女はiPhoneを買う為に1000ドルくれたら一緒に写真に納まると言い、アブラハムはそんな金は出せない、200ドルでどうだと駆け引きを始めた。全然足らないと孫娘。じゃぁ400ドルだ。まだ足らない。う~ん600ドル、800ドルが最後だとアブラハム。孫娘が800ドルで手を打つと、1000ドル上げようと思っていたのにお前は200ドル損したなと笑う。そして、本当は600ドルで買えるもんと得意げに言う孫娘の頭をアブラハムは中々いいぞと云う風になでるのだ。あらまあ。

金儲けに長けているユダヤ人の民族性を描いているのかもねと観終わってから気が付いた。そのことについてポーランド生まれの祖父を思い描いてこの映画を作ったというソルラス監督が「あのシーンは愛情をもちながらも、金に執着するユダヤ人的な感覚を描いています。」と語っているインタビュー記事を読んだ。やっぱりね。



wiii



  1. 映画
  2. | trackback:0
  3. | comment:0
<<映画鑑賞レポート ③ 「Tomorrow パーマネントライフを探して」 | top | 映画鑑賞レポート ① 「GREEN BOOK」 >>


comment

comment


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://joyluckclub.blog.fc2.com/tb.php/1155-93643af5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)